シーン16:危険な状況〜負傷したサイトー〜
一行は目的の倉庫に着いた。
2台の車を倉庫に入れると、倉庫の扉を閉める。
ロバートを車から引き出し、「監禁しろ、奥の部屋だ」といって奥に連れて行く。
負傷したサイトーをおろし、横にならせる。
「死んだのか?」
「重傷だ」
「何をしていた?」アーサーがコブに聞く
「列車にぶつけられた」コブが言う
「なんで街中に列車が?」イームスがアリアドネを見る。
「設計してないわ」アリアドネ。
「どうなってる!?待ち伏せされたぞ!しかも敵は明らかに訓練を受けていた」コブが叫ぶ。
「訓練!?」驚くアリアドネ。
「どうやらロバートは抜き取り(エクストラクション)に対する防衛策を学んでいたようだ」アーサーは言う。
「調査不足だ!リサーチはお前の役目だろ!どうするんだ!サイトーが撃たれたぞ!!」
「武装化していると分かっていれば、対応できる」アーサーは言う。
コブは苦々しい表情でサイトーを見た。
「このままだと、サイトーが死ぬ」
「死なせろ。楽になる」イームスが言って銃をサイトーに向ける。
「やめろ!」コブがイームスを抑える。
「絶対にダメだ!」コブが言う。
「なぜだ?死んだら目が覚めるだけだろう? 起きれば楽になる」イームスが言う。
「今回使っている鎮静剤が強すぎる。死んでも目は覚めない」ユスフが言う。
「死んだらどうなる?」
「虚無に落ちる」
「虚無?」
「形のない夢だ。 潜在意識以外何もない」コブは説明する。
「以前に誰かが世界を形作っていれば、それが残ってるかもしれない。お前は落ちたよな」アーサーがコブに言う。
アーサーはかつてコブとモルが虚無の世界へ行き、世界を作りながら何十年も過ごしたことを知っていた。
皆がコブを見る。
「虚無に落ちた人を助けるにはどうしたらいいの?」アリアドネ。
「難しいだろうな。落ちた人間が何か残していれば何とかなるかもしれないが」アーサーが言う。
「どのくらいの間虚無にいなければならないの?」アリアドネがコブに聞く
「少なくとも薬が切れるまでは。最悪の場合、その後もずっと精神が戻らない可能性もある」ユスフが答える。
「そんな・・・!」
薬が切れるまでというと約10時間。第3階層では10年過ごさなければならないとと聞いた。さらに深遠である虚無ではどれくらいの年月が必要なのだろう。
「ありがとう、最高だ」イームスが言う。
「ロバートの防衛軍と戦って死んだら、頭の中がスクランブルエッグみたいにグチャグチャになるわけだ」イームスが言う。
「騙したのか」アーサーがコブに詰め寄る。
「そうするしかなかった」コブは開き直る。
「お前は知ってたな? コブの取り分の半分でも貰えるか?」アーサーはユスフに言う。
「彼の分全額だ。 俺はコブに言われてやってる」ユスフは言う。
「出口のない戦いだ」イームスが言う。
「出口はある」コブが言う。
「深い層は危険だ、オレはこれ以上先には進まないぞ」イームスが言う。
「この層には敵がウジャウジャいるぞ。この世界に1週間もいたら、全員確実に殺される!」コブは言う。
「助かるには、深くに潜って、一刻も早くミッションを成功させるしかないんだ」
コブの言葉に静まり返るメンバー。
「ロバートを脅してくる」コブはロバートの監禁場所に行く。
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