インセプション episode0:コボル社の陰謀
映画本編の序盤は、コブ達がコボル社の依頼で、サイトーから情報を盗み出すためのエクストラクションを仕掛けていますが、初見の人は映画を観ている時、今ひとつ、サイトーとかコボル社とかコブ達の立ち位置が把握できなかったのではないでしょうか。
実はコボル社の依頼には、劇中では語られていない、エピソード・ゼロともいえる物語があったのです。
ワーナー・エンターテイメント・ジャパンのサイトに、アメリカで英語版で作られたものを日本語訳したと思われる、コミックが置かれていますので、ご紹介します。
インセプション コボル社の陰謀(Web限定コミック)
以下で、コミック「コボル社の陰謀」のあらすじをご紹介します。
コブとアーサーは、コボル社の依頼で、世界企業「プロクロス・グローバル社」の技術主任「カネダ」から情報をエクストラクションするために、カネダを夢の世界に連れ込み、ミッションをスタートさせた。
コブは、モルの幻影に邪魔をされそうになるが、何とかアーサーには気付かれなかったようだ。
ミッションには、コボル社の連中も「確認」のために同行させろとねじ込んできて、結局コボル社の男達4名もついて来ている。
仕方なく、コブはナッシュの待つ、ターゲットが仕事をしている高層ビルの63階へ、コボル社の内の1人を連れて上がり、アーサーは残りの3人を連れて、警察の目を自分達に引き付けるために、近くにあった宝石店を襲う。
ナッシュは信用できないヤツだが、人材不足で設計士は彼しかいなかったのだ。
63階のオフィスは、警備が厳重だったので、ナッシュが警備をひきつけ、コブとコボル社の男は、その隙にカネダのオフィスまで進み、カネダに銃をつきつけて脅す。
コンピュータシステムのパスワードを教えろと迫るコブだが、カネダは応じない。
コブは、コボル社のお目付け役を撃ち殺し、さらにカバンの中の爆弾を見せ、言う事を聞かない場合は皆殺しだと脅す。
コブの所業にカネダは震え上がり、パスワードを入力する。
その頃、アーサーは駆けつけた警察と交戦状態であった。 コボル社の連中は、戦況が不利になると次々に自殺し、戦線を離脱していく。
警察が、宝石店からカネダのあるオフィスビルの方へ移動し始めたのを見たアーサーは、捨て身でオフィスビル内に入った警察官達を倒すが、物量には太刀打ちできず、撃たれて現実へと帰還する。
警備から逃げていたナッシュも、追い詰められて殺され、現実へ戻る。
コブは、夢が崩壊しはじめたのでナッシュの死に気付き、システムから必要な情報を抜き出すことを急ぐ。
しかし肝心の「RDS-1エネルギー拡大計画」のファイルを開こうとするが、ロックがかかっていて開かない。
カネダによると、そのファイルを開くパスワードはサイトーしか知らないという。 そのプログラムのアイデアはサイトーのものだというのだ。
コブはターゲットを誤ったことを知り、爆弾の爆発に身を委ねて、現実に帰る。
現実に帰ったコブを待っていたのは、夢の中で突然射殺された男の怒りに震えた顔だった。
アーサーや、その他の男達も混ざってすったもんだするが、ナッシュはどこ吹く風で知らん顔をして無関係を主張していた。
そこへ、コボル社の顔役であるウッドラフが現れる。
ウッドラフは、コブに報酬として支払った分の情報を求めるが、コブは情報が間違っていて、真のターゲットはカネダのボスのサイトーであることを説明する。
コブはサイトーへ入るのは契約外だと主張するが、ウッドラフはコブに今度のヤマの大きさについて語る。
南アフリカで力を持っているコボル社は、今回フィッシャー・モロー社が融資をして援助している、東アフリカの石油パイプラインを作る仕事を受注しようと画策している。
その計画の最大のライバルがサイトーのいるプロクロス・グローバルなのだ。 コボル社はフィッシャー・モローのライバルとも言えるプロクロスの情報をカネダから抜き取り、フィッシャーに取り入ろうとしたが、今回の失敗によって手土産が用意できていないのだ。
ウッドラフは鋭い眼光でコブを脅す。 自分達は失敗をそう簡単には許さない、そして国際手配中のコブを助ける者はどこにもいないと。
コブは、やむを得ず了承する。 しかし、自分達だけでやらせてくれという。 ウッドラフは情報さえ持ってくればそれで良いとし、彼らは解放される。
ナッシュの意見は、成功して金が入るのであればそれでいい、というものだ。
アーサーの意見は、サイトーはそれなりの訓練を受けていると思われるので、より難しいミッションになる、という。 もしサイトーが夢の事情に詳しければ、最初はうまく演じてくることが予想されるためだ。
つまり、彼らはサイトーの上を行く技術でエクストラクションを行わなければならないということになる。
3人は覚悟を決め、東京へと向かう。
(了)
※日本語訳では、コボル社とプロクロス社がライバル関係と訳されていて、映画でサイトーが語っていたフィッシャー社とライバル関係という設定と齟齬が生じています。 しかし、英語版ではコボル社とプロクロス社がライバル関係などとは書かれていませんでした。 誤訳と思われます。
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