![映画「インセプション[INCEPTION]」徹底解説サイト](img/logo.gif){kind=logo}
コブとモルの過去の真相を徹底解説！
【重度のネタバレ注意！】
「インセプション」のメインストーリーは、サイトーからの依頼により、「ロバートへのインセプション」というミッションを達成するまでの物語なのですが、もうひとつ、影のストーリーとして、コブとモルのラブストーリーとも悲恋ともいえる物語を有しています。
ここでは、コブとモル、二人の過去を徹底的に解説してみたいと思います。
■モルの死の真相
モルの死の真相は『コブによるインセプション』であった。
すべてが自分達の思い通りになる夢世界に入り浸り、もはや夢と現実の区別がつかないどころか、現実の方を封印してしまったモルを、何とか子供達の待つ現実世界に帰したかったコブが考えた苦肉の策は、「ある単純なアイデア」をモルの深層心理にインセプションする、というものであった。 上の層からキックして無理やり連れ戻せなかったのは、ひとつには虚無（limbo）から脱出するには死ぬしかない、という点と、たとえ無理やりに連れ帰っても、またすぐに戻られては意味がないと考えたからだと思われる。
その単純なアイデアとは『ここは現実じゃない』というもの。 そして『現実に戻るには死ぬしかない』とも。
結果はコブの狙った通りになったのだが、問題はその後にあった。
モルの頭の中にはインセプションされたアイデアがガン細胞のように増殖していき、現実に帰っているにも関わらず、『死んで現実の世界に戻らなくては』と考えてしまうのだ。
結局モルはコブとの記念日の日に、コブの目の前でホテルから飛び降り自殺をして死んでしまう。 そして、この事実はコブの心に大きな傷を残し、以降常にモルに対する罪悪感に苛まれ、潜在意識に問題を抱えることになるのだ。
■モルへのインセプションの方法
モルへのインセプションの方法は、モルが現実を封印した金庫を探し出し、「ここは現実ではない」と認識させるというもの。 具体的には、金庫に入っていた彼女のトーテムのコマを回す、というやり方だった。
トーテムは夢と現実の区別をつけるための道具であり、モルのコマは夢であればずっと回り続けるという特性をもっている。 そのコマを金庫の中で回し、また金庫を閉じる。
モルの潜在意識は回り続けるコマを認識し、「ここは現実ではないんだ」という意識が生まれる。（実際には生まれたのではなく、コブによって植えつけられた）
コブの誤算は、潜在意識は夢の中だけで働いているわけではなく、現実世界でも働くもの、という当然の理屈と、それが及ぼす結果に思い至らなかった点だ。 現実世界でのモルの潜在意識の金庫の中でもコマは回り続けていたのだ。
■コブとモルの出会い
劇中で、コブとモルが出会った経緯については触れられていないため、あくまで推測。
まず、モルの父親であるマイルズ教授は、人の精神や潜在意識、夢といった分野の学問の権威であり、劇中で夢を共有する為に使用される、ドリームマシンにも精通している思われる。
コブは学生時代、マイルズ教授に従事した優秀な学生であったことが、劇中の彼ら二人の会話から窺える。
教授の娘と、彼の優秀な生徒が、教授を通して出会うのは決して不自然な話ではない。 コブとモルはそうやって出会ったと考えるのが妥当であろう。 ただし、モルがコブと出合った当初から父親の研究分野に入れ込んでいたのか、そうではなく単に教授の娘として出会ったのか、という点については推測の根拠がない。
モルは2人の子供を産み、子供たちがある程度大きくなるまでは、破綻を起こしていない。 それを鑑みると、結婚前や結婚直後から2人の夢世界に入り浸っていたわけではなさそうだ。
■コブとモルの世界
コブとモルは、いつの頃からか2人で夢に入り、自分達好みの世界を作ることに、文字通り夢中になる。
推測できるのは、おそらく最初は第1階層などで世界を構築していた2人が、タイムリミットに満足できなくなってきたのではないだろうか。 2人の小さな子供を持つ両親が毎晩10時間も寝ていられる訳がなく、5時間くらい夢の世界で遊んだとして、第1階層では3、4日くらいだ。 コブとモルは、もっと自由な時間を得るために、深い層へと潜っていったのは想像に難くない。
劇中では第3階層はかなり不安定だと語られていた。 その第3階層を安定させるためにユスフが強力な鎮静剤を用意したのだ。 当時の2人も、優秀な調合師を知っていたのだろうか？
コブによると、50年くらいかけて街を構築したとされるコブ＆モル夫妻。 50年過ごすためには、第3階層で過ごすにしても、現実世界で50時間くらいの睡眠が必要になる。 劇中ではLimbo（虚無）と呼ばれている階層に、かつてコブとモルが作った世界の成れの果てが残っていた。 虚無では現実世界の10時間が200年に当たると推測でき、1晩の睡眠の内に50年を過ごすことは不可能ではない。
［PR］クリストファー・ノーラン監督 その他の作品
フォロウイング
スポンサード リンク
ノーラン監督の名を世界に広く知らしめた代表作
ノーラン監督好きなら必見の初期の話題作
２人のマジシャンの意地とプライドをかけた壮絶な戦いをノーラン監督が描く！