シーン11:トーテム〜帰れぬ理由〜
アジトの一室の工作機械で、チェスの駒のクイーンを作っているアリアドネ。
物音に気づき席を立つと、別室でコブがドリームマシンを片付けていた。
「自分の夢に入っていたの?」アリアドネがコブに聞いた。
「違う、実験をしていた。 まだ居たのか」少し様子がおかしいコブ。
「トーテムを作っていたの」アリアドネ。
「ちょっと見せてみて」手を伸ばすコブ。
それを後ろに隠して首を振るアリアドネ。「自分だけの物だと」
「アーサーに聞いたのか」ニヤリと笑うコブ。
「トーテムはあなたの考え?」アリアドネが聞く。
「モルのアイデアだ」答えるコブ。
「彼女のトーテムのコマは夢の中では倒れずに回り続ける」答えるコブ。
「・・・・・・亡くなったのね」アリアドネ。
「迷路の方は?」コブが話題を変える。
模型を使ってコブに説明をするアリアドネ。
「3層目に病院を作ろうと思うの」
頷くコブ。
「そうだ、レイアウトについて相談が・・・」アリアドネが詳しく説明をしようとすると、それをやめさせるコブ。
「設計した人間以外知らない方がいい」とコブ。
「なぜ?」アリアドネ。
「誰かの潜在意識に迷路を知られたくない」コブ。
「モルが現れたときに追い出せなくなるから?」突っ込むアリアドネ。
「・・・・・・」無言のコブ。
「バレて邪魔をされたら?」アリアドネ。
「大丈夫だ」コブ。
「みんなは知っているの?」アリアドネ。
「知る必要はない」コブ。
「夢を共有するのよ? 話すべきだわ」アリアドネ。
「俺は家に帰れればそれでいいんだ」コブは言った。
「・・・。あなたが家に帰れないのはナゼ?」アリアドネが聞く。
コブはアリアドネを見る。
「妻殺しの容疑だ」
アリアドネは言葉が出ない。
「ありがとう」コブが言う。
意味が分からないアリアドネ。
そんなアリアドネの表情を見てコブは言った。
「殺したの?と聞かなかった」
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