シーン6:投影される者〜コブの問題〜 ストーリーを徹底再現!:映画「インセプション[INCEPTION]」徹底解説サイト

「インセプション」のストーリーを徹底再現!
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シーン6:投影される者〜コブの問題〜

街並みを歩いているコブとアリアドネ。

「この街は基本レイアウトだ。 たいていの物は揃っている」コブが説明する。

街には普通に通行人があるいている。

「この人たちは?」アリアドネが聞く。

「潜在意識が投影されてるんだ」コブが答える。

「あなたの?」

「そう。 ターゲットは俺。 心は今ここにある。街に銀行や刑務所を作ったら、ターゲットは大事なものをそこに保管する」

「それを盗むのね」アリアドネが言う。

「設計士は潜在意識と会話をして夢を作るんだ」コブが言う。

「夢ってもっと視覚的かと思ったけど、感情が大きく影響するのね」アリアドネが言う。

アリアドネは考える。

「物理法則を無視したらどうなるの?」アリアドネは聞き、二人は街角を曲がる。

コブが答える前に、街の彼方がせり上がって来て、街と街が、まるで垂直の地面と壁のようになる。

更に街はもう一回折れ曲がり、自分たちの頭上にもさかさまに街がかぶさってくる。

上を見上げると、人や車が天井に張り付いて歩いたり走ったりしているように見える。

「やるでしょ」アリアドネは得意げに言った。

コブは肩をすくめる。

二人はそのまま歩き、壁のようにそそり立った垂直の街の直前までくると、今度は壁を歩くように垂直に歩く。

歩くとすぐにそこが正常な街のように感じる。

歩いていると通行人がみなこちらを注目して歩いている。

「なぜ、みんなこっちを見てるの?」アリアドネ。

「潜在意識が他者を意識している」とコブ。

「君が手を加えれば加えるほど、潜在意識は他者を意識する。病原菌を攻撃する白血球のようにね」

「攻撃される?」

「されないさ。 されるのは君だけだ」

通行人はジロジロと遠慮なくアリアドネを見ながら歩いていく。

アリアドネは地面をせり上げて、道路をまたぐ歩道橋を魔法のように作り出す。

「すごい事は認めるがやり過ぎだ」コブがたしなめるが、夢の世界の面白さに夢中のアリアドネには届かない。

その内通行人がアリアドネを見るだけでなく、肩をぶつけたりしてくるようになる。

「私に構わないでって言って」アリアドネは言う。

「潜在意識は制御できない」とコブ。

やがて二人は河に突き当たる。

アリアドネは自分の左右に巨大な鏡を出現させ、合わせ鏡にして、まるで河の上を鏡の道が橋になって続いているかのような状況を作る。

アリアドネが鏡に手を触れると、鏡は崩れ落ち、鏡の中の道が本物の橋として存在していた。

「素晴らしい」コブは思わず褒めるが、新しく作られた橋を歩くとなぜかモルとの過去の思い出を思い出す

「この道は知っているぞ、実際にある橋だな?」

「そうよ、毎日通ってるわ」

「だめだ、記憶を再現するな」コブは真剣に言う。

「参考にするのもだめ?」

「街灯とかディティールを真似るのはいいが、街全体はダメだ」

「なぜ?」

「夢の中にいて混乱するからだ。現実と夢、どちらにいるのか分からなくなる」

「実体験?」アリアドネが冗談っぽく言う。

「俺のことは関係ない!」叫ぶコブ。

周囲の通行人は、もはや通行人とは言えず、アリアドネを取り囲み、掴みかかる。

「やめろ!」コブが言うが、通行人たちはアリアドネを捕まえて話さない。

人波の向こうからモルが歩いてくるのが見える。

「ダメだ、モル!」コブはアリアドネを連れ出そうとするが、人垣が邪魔でアリアドネに到達できない。

モルが歩くと人が避けて、モルは一直線にアリアドネに向かってくる。その手にはナイフが握られている。

「いや、やめさせて」アリアドネは叫ぶ。人垣に押し潰されて身動きがとれない。

「やめろ!!」人垣の向こうからコブが叫ぶ。

「起こして!」叫ぶアリアドネ。

モルはアリアドネの目の前まで早足で歩いてくると、何のためらいもなく思い切りアリアドネの腹にナイフを突き刺した。

絶叫せんばかりに目覚めるアリアドネ。 息が荒い。

「もう大丈夫だ。 しっかり」アリアドネの横で声をかけて落ち着かせるアーサー。

「何故分かるの?」アリアドネはアーサーに言う。

「時間より早く目覚めた。夢の中で死んだからだ」アーサーは言う。

続いて苦い顔でコブが覚醒。

「どういうことなの!?」説明を求めるアリアドネに目も向けず、フラフラと歩いていくコブ。

「トーテム・・・」コブは呟いてそのまま部屋を出て行く。

「キレイな人だったわね!」コブの背中に叫ぶアリアドネ。

「ああ、コブの奥さんさ」アーサーが言う。

「奥さん?」

「トーテムを持った方がいいな」アーサーは話題を切り替える。

「トーテム?」

「夢と現実を判断するものさ。できるだけ小さくていつも持ち歩けるものがいい」

「コインみたいに?」

「いや、もっと特徴のある物がいい。たとえばイカサマ用のダイスとか」

アーサーはそういって、自身のトーテムらしき赤いサイコロを見せる。

アリアドネがそれを手に取ろうとすると、すっと手を引っ込める。

「トーテムの特徴を知っているのは持ち主だけだ。バランス、感触・・・」

アリアドネは何事かを考え、アーサーに話す。

「見て見ぬふりをしているのかも知れないけど・・・。彼は潜在意識に問題を抱えているわ。潜在意識を共有しなくちゃならないのに、そんな人に心は開けないわ」

アリアドネはそう言うと、アジトから出て行ってしまう。

タイミングを見計らったようにコブが部屋に戻って来る。

「彼女は戻って来る。 設計も覚えたんだ。 もう現実では満足できないさ」コブは言う。

「これからどうする?」アーサー。

「イームスに会いに行く」コブ。

「イームス!?無理だ、諦めろ。モンバサはコボル社の庭だぞ!」慌てるアーサー。

「行くよ」コブは言う

「考え直せ」アーサーは食い下がる。

「必要なんだよ。 偽装士が」コブは言った


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「インセプション」ストーリー徹底再現 目次


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