シーン22:第3階層〜雪山〜
ライフルのスコープで雪山の要塞の警備兵の様子を見ているコブ。 完全防寒の雪山仕様の装備だ。
雪山に白い防寒装備で立つ、コブ、アリアドネ、イームス、サイトー、ロバートの5人。
同じ装備で横に居るアリアドネ。
「コブ、ここに何があるの?」とアリアドネ。
「ロバートの真実さ?」スコープを覗いたまま答えるコブ。
「あなたの話よ」アリアドネは言う。
コブは彼女を見た。
第2階層では、眠るメンバー達を見守るアーサーの居るホテルの部屋が、ズゥンと揺れた。 おそらくユスフのバンの影響だ。 アーサーは思わず上を見上げる。
アーサーは部屋の外へと出た。
すぐに廊下の向こうにセキュリティの男の姿が現れる。
その頃、第1階層。
ユスフの運転するバンは、徐々に襲撃者に追い詰められつつあった。
窓と言う窓はすべて割れ、車体も銃撃の跡でベコベコである。
バイクの2人乗りが運転席の真横まで迫り、後部座席の男からライフルの銃口を向けられたユスフは、とっさに銃を掴んで銃口をそらすと同時にライフルを手前に引き寄せ、後部座せ筋男をバイクから落とす。
第2階層のアーサーは、セキュリティの男から逃れる方向に足早に歩き、死角に入ったところで、男を待ち構えるた。
男が近づいたところで飛び出すアーサーだが、銃を持つ手を蹴られ、取り落としてしまう。 アーサーは咄嗟に男に組み付き、格闘に入る。
第1階層のユスフが運転するバンは、続く銃撃をかわす為、曲がり角を急ハンドルで曲がった。
しかし曲がりきれず、バンの片側の車輪が大きく持ち上がり、そのまま道路脇の斜面に横転しながら転落してしまう。
バンの中で眠っているメンバーの体は、シートベルトで固定されているものの、大きく振り回されてしまう。
第1階層でのバンの横転、転落は、第2階層で戦闘中だったアーサーの居るホテルに大きな影響を及ぼした。
突然天変地異でも起こったかのように、廊下の床が立っていられないくらい傾いて、本来壁だった部分に立たざるを得ないようになり、その壁も傾いて今度は天井に立たなければならないといった、通路が回転しているような状態になる。
そのような中、アーサーはセキュリティと戦闘。
落とした拳銃が、あちこちに転がっていくため、それを追いながらの肉弾戦となってしまう。
壁に立つ状態のときに、開いていたドアの中に転落するアーサーと男。 床を滑り落ちて壁に着地するという妙な展開。
今度は回転する客室の中での戦闘になる。
回転によって発生した高低差を利用して、上からアーサーに突進してくる男。
対応しようとするアーサーは、転がっているピストルに気づき、それに飛びつく。
間一髪、男がアーサーに組み付くより、ほんの少しだけ早くアーサーがピストルを手にして、男を撃った。
第1階層で斜面を数回横転しながら転落したバンは、エンストは起こしていたが、幸いにも走行可能な向きで止まった。
「見たか!」その幸運を、自分のテクニックであるかのように喜ぶユスフ。
ユスフがエンジンを掛けると、無事にかかった。 バンは再出発する。
第2階層で、戦闘に勝ったアーサーは、ようやく回転が止まった部屋から出て、今度は廊下の非常階段へのドアを開け入っていった。
第3階層の雪山。
コブとアリアドネの方へ近寄ってくるイームス。
「ロバートと行くか?」イームスがコブに聞く。
「いや、俺は一緒じゃない方がいいだろう」コブが言う。
「警備が多い。 ここはお前の夢だ。 警備兵をひきつけてくれ」コブはイームスに頼んだ。
「じゃあ、私が行きましょうか?」アリアドネがコブに言った。
「君は残れ」コブが言う。
「俺が行こう」サイトーが言った。
サイトーは咳き込んで少し吐血する。
「彼と行って下さい。 無線は切らないで」コブはロバートに近寄り、彼の襟元のマイクの位置を直しながら言う。
「君は来ないのか?」ロバートは不安そうにコブを見る。
「会長の真意を確かめるには1人で行かなければ」コブはもっともらしくロバートに言った。
ロバートは少し考え、そして頷いた。
ロバートとサイトーは会長の病室とがある建物へ、コブとアリアドネは、その反対側の監視塔のような建物へと向かい。 イームスは建物内の警備兵をおびき寄せるべく行動を開始した。
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