シーン14:ボーイング747〜ミッションスタート〜
空港。
プライベートジェットに向かうロバート・フィッシャー。
しかし飛行機の前で整備士に何か言われている。
整備士はしきりに詫びながら別の飛行機を指差している。
ロバートは釈然としない表情で、その飛行機に歩いていく。
コブ達メンバーは、その様子を空港内のエレベータを降りながら、正面のガラス張りの壁越しに見ている。
「約束を果たしてくれないと、着陸と同時に俺は逮捕される」コブはサイトーに言う。
「仕事が成功すれば電話を入れる。 それで入国は問題ない」サイトーが言う。
ボーイング747のファーストクラス席。
ロバートより先に機内に入り、布陣を固めるメンバー。
ロバートが入ってきて、一番前の席に進もうとしたとき、荷物を席上のトランクスペースに収めて上着を脱いでいたイームスが、ロバートの進路を塞ぎ、ぶつかってしまう。
「おっと、失礼」イームスは詫びる。
ロバートは、こういった相乗り状態に慣れてないようで、目を合わせずに自分の席に進む。
イームスの手には、ぶつかった時にロバートの懐から抜き取ったパスポートがあった。
席に座ったイームスは、さりげなくパスポートをコブに手渡す。
コブはパスポートが誰からも見えないように注意深く持って、念のために中身を確認する。
飛行機は無事離陸し、シートベルト着用ランプが消える。
「これ、落ちていましたが、あなたのものでは?」
コブが、一つ前の席のロバートにパスポートを差し出す。
ロバートは驚いてパスポートを確認して、「ああ、これはどうも」と礼をいう。
「お飲み物はいかがですか?」キャビンアテンダント(CA)が話しているコブとロバートに聞く。
「水を」コブが頼む。
「私も」とロバートが言う。
「失礼ですが、パスポートの中が見えてしまいまして・・・。モーリス・フィッシャー氏の身内の方ですか?」コブが聞く。
「はい、彼は私の父です」ロバート。
「素晴らしい人でした。 残念です」殊勝な顔でコブが言っているとき、CAが水を持ってきた。
コブは2つとも受け取り、ロバートから見えないように薬を水に落とし、そのグラスを「どうぞ」と言ってロバートに渡す。
受け取ったロバートにコブは「お父様に」と言って乾杯を求める。
苦笑してグラスを合わせるロバート。「ご冥福をお祈りして」乾杯し、水を飲むコブ。
ロバートも水を飲み、イスに座りなおして目を閉じた。
薬が効いてロバートが眠ってから、メンバーは行動に出た。
コブはロバートにブランケットをかけ、念のために頬を軽く数回張ってみるがロバートは反応しない。
CAがドリームマシンを取り出してきて、メンバの中央付近にセットする。
ロバートの腕に接続した後、各自、自分の腕に接続して、リクライニングなど寝る体勢に入る。
ユスフはグラスのシャンペンを飲み干して、リクライニングしたシートに深くかける。
CAが各自のOKをもらった上で、マシンの中央のボタンを押す。
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