シーン8:パラドックス〜アーサーとアリアドネ〜
パリのアジトにひとりで留守番していたアーサー。 後ろで咳払いが聞こえる
振り返るとアリアドネが立っていた。
「来ると思ったよ」アーサーが言う。
「悔しいけど・・・」恥ずかしそうに言うアリアドネ。
「誘惑に勝てなかった?」アーサーがニヤついて言う。
「・・・、だって天地創造よ。やめられないわ」とアリアドネ。
「パラドックスについて教えよう」
二人は早速マシンを使って夢に入る。
大きなオフィスビルのロビーに入るアーサーとアリアドネ。
「3層の構造の夢を構築するためにはパラドックスについて知っておいた方がいい」
フロアの中央から四角い螺旋状で上に上がる階段があり、そこを上がる二人。
「構造のトリックで、夢の境界線を隠すんだ」語るアーサー。
二人の横を下りで通過する女性が書類を落としてしまい、拾い集めている。
それを見ながら更に階段を上がる二人。
「例えばペンローズの階段。現実世界では実現は不可能だが・・・」
階段を上がり続けているはずの二人は、先ほど書類を拾い集めていた女性の横を再度通過する。
それを不思議に思うアリアドネ。
この階段をよく見ると、四角い螺旋状になっていると思われた階段は、「ペンローズの階段」と呼ばれる騙し絵のように、ぐるぐるとずっと上がり続けるような構成になっていた。
アーサーが急に脚を止めたその先には階段が存在しておらず、階段は唐突に終わっていた。
「パラドックスだ」アーサーはアリアドネを見て言う。
ビルから出る二人。
「夢の広さは?」アーサーに質問するアリアドネ。
「ビルのワンフロアから街のようなものまで」アーサーが答える。
「コブも設計を?」アリアドネが聞く。
「もうしないと思う。 その方が安全だ」とアーサー。
「なぜ?」アリアドネ。
「たぶん、モルが出てくるせいだ」アーサー。
「元奥さん?なぜ離婚したの?」アリアドネ。
「違う、死んだ奥さんだ。モルはコブの潜在意識が投影している姿だ」アーサー。
「・・・。どんな女性だったの?」アリアドネ。
「素敵だった」アーサー。
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