【サイトーからのエクストラクション】- インセプション徹底解説
口八丁・手八丁でサイトーから信用を得ようとしているコブとアーサー。
彼らは「コボル社」という会社からの依頼で、サイトーの潜在意識から「アイデア」をエクストラクション(抜き取り)しようとしている。
コボル社は、盗み出した情報をサイトーの会社のライバル企業の「フィッシャー社」への手土産にして巨額の石油のパイプライン製造事業を受注しようとしているのだ。 このコボル社、かなりダーティーな側面がある会社であるのは間違いなく、ケニアのモンバサは彼らの庭といわれていて、かなりの人数の手下が、街中で銃撃戦を行うなど、荒事に長けているようだ。
夢の設計段階で、大事な物を保管する金庫を作ってやると、ターゲットはそこに自分の大切な「アイデア」を仕舞う。それを奪い取るのがコブたちの手口のようである。
しかし、サイトーはコブとアーサーがエクストラクションに来ていることを事前に承知している。 それどころか、逆に彼らが「インセプション」のミッションに値するレベルの腕かどうかを確かめる機会として利用する辺り、相当の海千山千の企業戦士であることを窺わせる。
この後、コブがコボル社から狙われるところを見ると、サイトーとコボル社が親密で、サイトーの依頼でコボル社がコブ達をサイトーの夢に忍び込ませたとは考えづらいが、コボル社内にサイトーに対して裏情報を流せるスパイがいるか、裏取引ができるレベルのパイプはあると推測できる。
また、このときコブ達がサイトーに提案しているのは「エクストラクション」に対する防衛手段を学ぶことである。 これは、かなり危ない橋を渡っているように思える。ある意味「ミスター・チャールズ」に近い作戦である。
なお、サイトーが部屋を出て行った後、天井が揺れるのは、このもう1階層上でナッシュが待っている部屋(暴動の街)の近くで爆発が起こっている影響である。 階層構造の夢は1つ上の階層の影響をモロに受けやすい。
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