【モルに襲われるアリアドネ】- インセプション徹底解説
設計士として必要な、夢の世界を作り出す知識をつけたばかりのアリアドネは、コブの警告を無視して、コブの夢にどんどん手を加えていく。
すると、コブの潜在意識は、自分の夢に手を加えている「他者」を意識し始める。 具体的にいうと、通行人が「他者」であるアリアドネをジロジロと見るようになる。
それでもドンドン手を加えていくと、通行人が肩をぶつけてきたりと、潜在意識が徐々に攻撃的な行動を取り始める。
そもそも、この時点でコブは潜在意識に問題を抱えているのだ。 通常、夢の中の「その他大勢」の通行人などは、ドリーマー(夢の持ち主)の潜在意識の投影だが、コブは他人の夢の中にまで自分の潜在意識の中の存在であるモルを投影してしまう状態だった。 ましてや、この時は夢自体はコブの夢なので、モルが投影されない方がおかしいという状況なのだ。
アリアドネが、コブとモルの思い出に残っている橋を再現したことでコブの潜在意識が投影する「その他大勢」ですら、アリアドネをとっ捕まえて拘束し、コブから引き離してしまう。
そして案の定モルが現れて、アリアドネは刺し殺されてしまう。
モルとは言っても、正体はコブの潜在意識が投影した人物なので、コブが「アリアドネがこういう行動をした時、死んでしまったモルがいたなら、こうしかねない」などと心のどこかでイメージした行動をしているのだ、といえる。
夢の中で殺されて、現実で覚醒したアリアドネは、アーサーにコブの潜在意識の問題をぶつけて、アジトを後にする。 もしかすると、これがアーサーでなく、イームスだったら危険を感じて作戦を降りるか、コブを外すなどの措置を取ったかもれない。 アーサーはコブを信頼しているし、腕も信じている。 サイトーのミッションでモルが出てきたのは、何かの間違いと好意的・楽観的に考えている。 そういう意味では、コブはアーサーを騙している。
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