シーン21:Mr.チャールズ〜攻守の逆転〜 ストーリーを徹底再現!:映画「インセプション[INCEPTION]」徹底解説サイト

「インセプション」のストーリーを徹底再現!
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シーン21:Mr.チャールズ〜攻守の逆転〜

バーのカウンターで話を続けているロバートとコブ。

「ええと、グリーンさん、でしたっけ?」ロバートが言う。

「それは偽名です。 私はセキュリティのチャールズです。 覚えていますか?」コブは更に偽名を使う。

「セキュリティというと、ホテルの?」言うロバートに首を振るコブ。

「違います。 私が警備するものは、特殊なものです」

「私はエクスラクトの脅威から、あなたの情報を守る。 分かりますか?」コブがロバートに言う。

「つまり、ここが夢だと?」ロバートがコブに聞く。

その時、コブの近くのグラスが突然割れる。

バーの入り口をみると、2人の子供がしゃがんで遊んでいる後ろ姿が見えた。

その途端にバーの客全員が、コブをジロジロと見始める。 潜在意識が他者を意識したのだ。

コブは我に返った。

「誰かがあなたの潜在意識に侵入しています」コブは苦し紛れに言った。


その頃、ひとつ上の第1階層でユスフの運転しているバンは、まだ激しい銃撃の中を走っていた。

バンの窓が割れて、車内に横殴りの雨が入ってきて、メンバーの体も雨にさらされる。

更に無理やりカーブを曲がって、メンバーの体は遠心力に引っ張られる。


上の層の影響で、バーのカウンター席の正面の大きな窓が、突如激しい雨に叩かれはじめる

「変な天気だ・・・」ロバートは言う。

続いてカタカタと小刻みにホテルが揺れて、グラスの中の水の水面が、いびつな重力に惹かれたように斜めになる。

「ここは、夢なのか?」ロバートはそれを見て、ここが夢だという話を信じ始める。

「あなたは夢の防衛を学んでいる。訓練を思い出してください」コブが言う。

「君も・・・夢なのか?」ロバートはコブに言う。

「はい。 あなたの潜在意識の投影です。 私があなたを守ります」コブは言った。

ロバートは考えた末に言った。

「そうか・・・・・・。 よし、守ってくれ」

「では、こちらに」


アーサーとアリアドネが立っているところでも、周囲の人間が自分達に注目し始めていることに気付く二人。

「何なの?」アリアドネが不安げに言う。

「ここが夢だと教えたから、潜在意識が他者を意識し始めた」アーサーが言う。

「キスして」アーサーがさっとアリアドネに顔を近づける。

何が起きているのか分からないままキスをするアリアドネ。

辺りを見ると周囲の人がコチラを見ていることに気付く。

「なぜ見られてるの?」アーサーに聞くアリアドネ。

「キスしたからさ。 行くぞ」おどけるように言って、歩き始めるアーサー。


バーから出て、ホテルの廊下を歩くコブとロバート。

後ろから男が2人ついてきている。曲がろうとした通路の先にも子供の姿が見えたため、そのまままっすぐ歩き、トイレに入るコブとロバート。

続いて2人の男もトイレに入り込んでくる。

男達はトイレの奥にロバートがいるのを見て近づこうとするが、死角となっている反対側の奥に隠れていたコブに、2人ともあっという間に撃ち殺される。

「な、何をするんだ!」ロバートが慌てる。

「静かに。 アナタを誘拐しようとしている連中です」コブが冷静に言う。

「指示に従ってください。」コブはロバートに護身用のピストルを渡した。

コブが倒した男達のボディチェックをしている間に、ロバートは渡されたピストルの銃口を自分のこめかみに当てる。

顔を上げたコブは、自殺しようとしているロバートを見て慌てる。

「やめた方がいい」コブは相手を刺激しないように言う。

「なぜだ? 死ねば現実に戻れるだろう?」ロバートが言う。

「強い鎮静剤を飲まされています。 死んでも戻れない」コブはロバートが早まらないよう慎重に言う。

「信じてください。私があなたを守ります」コブは真剣に言う。

ロバートは少し考えて、銃を下ろし、心を決める。


アーサーとアリアドネはホテルの一室に入る。

「ここが528号室の真下で間違いないな」アーサーはアリアドネに確認する。

うなづくアリアドネ。

アーサーは壁の金庫から爆弾を取り出し、部屋の天井の四方に爆弾をセットし始める。

「タイマー起動?」アリアドネが聞く。

「いや、爆破は手動だ。 キックに合わせる。 早すぎても、遅すぎてもダメなんだ」アーサーが答える。

「なぜ?」

「バンの落下中はフリーフォール状態になるからだ」アーサーは言った。


コブとロバートは、まだトイレにいた。

「ここに来る前のことを思い出してください」コブがロバートに言う。

「ここに?」ロバートは記憶をたどろうと眉を寄せる。

「・・・・・・」なかなか思い出せないロバート。

「・・・・・・銃撃された」やっと少し思い出すロバート。

「雨が降っていて・・・」

「あなた一人ですか?」コブが聞く。

ロバートは必死で記憶を手繰り寄せる。

「いや・・・、ピーター。そうピーターもいた」

「・・・・・・監禁されて・・・・・・」

「そう、バンの中だ」ロバートが思い出す。

「監禁したヤツの目的は何でしたか?」コブは誘導するように質問を続ける。

「・・・・・・。金庫、そう金庫の番号を教えろと脅された」とロバート。

「二人を夢に連れ込んで何かを奪う気です」コブがいう。

「その番号を思い出せますか?」コブが聞く。

「・・・・・・」頭を抱えて思い出そうとするロバート。

「だめだ、思い出せない!」辛そうなロバート。

「夢の中で現実のことを思い出すのは難しいんです。しかし重要なことです。思い出してください!」

「5・・・と、2・・・・・・、そう528・・・」ロバートが番号を思い出し始める。

「結構です。重要な番号。そしてここはホテル・・・」コブは携帯で「5階だ」と話したあと、「行きましょう」とロバートを促した。


コブとロバートがエレベータを5階で降りると、アーサーとアリアドネが待っていた。

警戒するロバートに「大丈夫、味方です」というコブ。

四人で528号室の前へ。

コブとアーサーが銃を構え、ロバートはアリアドネの背後にいる。

ドアを蹴り開けて部屋へ飛び込むアーサーとコブ。

部屋の中には誰もいない。

ロバートとアリアドネも中に入り、何か隠されてないか捜索する。

アーサーがバスルームでトランクが隠されているのを発見する。ドリームマシンである。

「この部屋で、あなたをもう一度眠らせて、より深い層でエクストラクションするつもりだったらしい」コブが言う。

「夢の中で夢へ?」ロバートが驚く。


その頃、サイトーはホテルの通路を歩いていた。

苦しそうに咳き込むサイトー。上の階層の体の容態がいよいよ悪いのだ。

通路の向こうからピーター・ブラウニングが歩いてくる。

サイトーはピーターに近寄り「また変身か?」と話しかける。

「何の話だ?」ピーターが言う。

ピーターの後ろからイームスが歩いてきていて、違う、違うというゼスチャーをしている。

怪訝な顔でサイトーをじっと見ているピーターに、サイトーは「あー、失礼。友人と似ていたもので」と詫びる。

ピーターはフッと笑い「ずいぶん男前の友達だな」と言って立ち去る。

ピーターが立ち去った後、「あれは・・・、投影か?」とサイトーがイームスに聞く。

「そうだ。 観察しろ。 ロバートがブラウニングを疑いだしたから、その潜在意識が投影されたんだ」とイームスは答えた。


528号で部屋の主・・・・・・すなわちロバートの情報を狙っていると思われる人物を、待ち構えるロバートとコブ、アーサー、アリアドネの4人。

そこへ投影のピーター・ブラウニングが入ってくる。すかさず銃をつきつけるコブとアーサー。

驚くピーター。

「そんな・・・、ピーターは私より2日前に捕まって、拷問されていた」ロバートが言う。

「それは確かですか? 拷問されている姿を見ましたか?」コブが聞く。

「・・・・・・」そういえば全てピーターから話を聞いただけだ。

「あなたが黒幕? まさか、・・・・・・金庫の中の遺言を始末するためか」ロバートが言う。

「会社はつぶさせないぞ!」ピーターは言う。

「何を言う。僕が会社をつぶす?」困惑するロバート。

「遺言だ」ピーターが言う。

「遺言?」ロバート。

「あの遺言は挑戦状だ」ピーターは言う。

サイトーとイームスも部屋にやってきた。

ロバートはピーターの言葉の続きを待つ。

「父からの挑戦なんだ」ピーターが忌々しげに言う。

「挑戦?」とロバート。

「親に頼らず、自分の力で何かを成し遂げろと・・・・・・」ピーターが言う。

呆然とするロバート。

「そんなの間違ってる! 君なら今よりもっとすごい会社にできるはずだ」ピーターが言う。

コブとアーサーが、あがこうとするピーターを取り押さえる。

「彼は嘘を言っている。 何かを隠して、あなたからエクストラクションするつもりだ。 彼の夢に潜ってみますか? 彼があなたにしようとした事をするんです」コブがロバートに提案する。

ロバートはうなづく。

ロバートを機械に接続して先に眠らせる。

第2階層のドリーマーであるアーサー以外のメンバーがドリームマシンに接続する。

「敵の襲撃は頼むぜ」イームスがアーサーに言う。

「遊んでやるさ」アーサーが軽く笑う。

コブは部屋の窓が開き、カーテンがはためいている様子に気を取られた。 これは、まるで・・・

「コブ、準備はいいか?」というアーサーの声にも気づかない。

「コブ?」2度目のアーサーの声に、やっとコブは振り向き、「ああ」と言った。

キック要員のアーサーを残し、全員第3階層へ。


<< シーン20:第2階層 ・ シーン22:第3階層 >>

「インセプション」ストーリー徹底再現 目次


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