
シーン13:記憶の牢獄〜コブの執着〜
アリアドネがアジトに行くと、コブが一人でドリームマシンに接続して寝ていた。
アリアドネは自分も機械に接続し、コブの夢に侵入する。
エレベータに乗っている。
エレベータのドアは鉄の柵でできていて、下っていく様子が分かる。
エレベータが止まった先には、部屋があり、その部屋のソファーにコブとモルが密接して座っている。
「私を見つけて・・・・・・。 なすべきことをして・・・・・・」モルの声。
「プロポーズの言葉を覚えてる?」モルが甘い声でささやいている。
「もちろんだ」コブ。
「夢がある・・・、って」モルがプロポーズの言葉を再現するように言う。
「一緒に年を取りたい、と」歌うように言うモル。
「叶うわ」コブを抱擁するモル。。
その時、突然モルが顔を上げ、エレベータのアリアドネを睨みつける。
驚いて振り返るコブ。
「何をしている」コブは立ち上がってアリアドネをエレベータに押し込み、自分も乗るコブ。
上のボタンを押す。
エレベータは上へ上がっていく。
エレベータが止まった先は砂浜。
遠くで2人の子供とモルが砂遊びをしている。
モルがこちらを見た。
コブはエレベータのドアを閉め、また下のボタンを押した。
「記憶を再現しているの?」アリアドネは聞く。
「そうだ」コブは答える。
「記憶を再現してはいけないって・・・」
「分かってる」
「記憶の中で奥さんを生かしているの?」
「俺には償うべき過去があるんだ」
「そして君が理解すべき過去は1つだけだ」
次に止まった先には廊下があり、二人は降りて廊下を進む。
「ここは?」アリアドネが聞く。
「俺とモルの家だ」コブ。
「奥さんは?」
「死んだ後だ」コブは答える。
部屋に入ると、部屋の向かいの開いているドアの先は、明るい庭になっていて2人の子供が遊んでいる。
後ろをむいてしゃがんでいるので顔は見えない。
「もう行かないと」見知らぬ男が飛行機のチケットを差し出している。
「ここで後悔する」コブが言う。
記憶の中のコブは男からチケットを受け取り、子供たちの方を見る。
2人は夢中で遊んでいるので気づかない。 やがてどこかに走っていってしまう。
「名前を呼んで、顔を見ておけばよかった」コブ。
「だがもう遅い。 結局何も変わらなかった。 呼ぶと子供達は消えてしまうんだ」コブ。
コブが展開される記憶の再現を見ている隙に、アリアドネは少しずつ後退してエレベータに近づく。
「子供達の顔を見るには、帰るしかないんだ」
アリアドネは一気にエレベータまで走り飛び乗ってドアを閉める。
コブが驚いて走り寄ってくるが、アリアドネは最下階のボタンを押して一人で下に行く。
途中で汽車が走っている階を通過してさらに下へ行くエレベータ。
エレベータが止まり、降りたところは、ホテルの一室だった。
部屋は滅茶苦茶に荒らされ、乱れきっていて、窓が開け放たれカーテンがはためいている。
ゆっくりと部屋に入っていくアリアドネ。
エレベータのドアは閉まる。
アリアドネは、転がっているワイングラスを踏んで割ってしまう。
その音に反応したように、モルが現れる。
「何の用?」モルが冷たく言う。
「私は・・・・・」アリアドネが言うのを制するモル。
「知ってる。何をしにきたの」ゆっくり近づいてくるモル。
怯えきっているアリアドネ。
「私は・・・、ただ理解しようと・・・・・・」
「どうやって? あなたに何が分かるの? 愛の何が理解できる?」
「私たちは2人で1人なの」
更にアリアドネに近づくモル。
「なぞなぞよ」
「列車を待ってる」
「遠くへ行く列車を」
「望んでいる場所へは行けるけれど」
「それがどこかは分からない」
「でも構わない」
「何故だと思う?」
モルは割れたワイングラスを拾い上げる。
「一緒だからさ」アリアドネの後ろからコブが答える
グラスの破片を振り上げてアリアドネに迫るモル。
動けないアリアドネ。
コブがアリアドネをエレベータへ押し込んで、急いでドアを閉める。
モルが閉まったエレベータのドアの前に走ってきて、柵を掴み揺らす。
「嘘つき!探してくれるって言ったのに!」モルは半狂乱で叫ぶ。
「すまない!必ず戻って来るから・・・」コブはモルに言う。
エレベータは上がり、二人は目覚める。
「あなたは・・・、記憶の牢獄に奥さんを閉じ込めてるの?」アリアドネがコブに詰問する。
返答に窮すコブ。
そのとき、アジトのドアが開き、メンバーが帰ってくる。
「モーリス・フィッシャーが死んだ。ロバート・フィッシャーは遺体と一緒にロスに帰る。作戦決行だ」
「私も連れて行って」アリアドネが小声でコブに頼む。
「だめだ、設計だけだと約束した」コブも小声で返す。
「アナタには理解者が必要よ」アリアドネは折れない。
「君を連れて行ったりしたら、教授に何を言われるか分からない」コブは渋る。
「あなたのことを救いたいの。それともさっきの夢をアーサーに見せる?」食い下がるアリアドネ。
コブは考えた末にメンバーに叫ぶ。「席を1つ追加だ」
<< シーン12:作戦会議 ・ シーン14:ボーイング747 >>
[PR]クリストファー・ノーラン監督 その他の作品
フォロウイング
メメント
インソムニア
バットマン ビギンズ
プレステージ
ダークナイト
スポンサード リンク